津波で浸水する可能性がある国の合同庁舎が、全国に少なくとも61施設あることが、国土交通省のまとめで分かった。このうち、1b以上の浸水が想定される施設は44施設。また、海上保安署が入所する庁舎では53施設に浸水の可能性があり、うち33施設は1b以上の浸水が想定されるという。しかも、これらは内閣府が4月に発表した南海トラフ巨大地震の最新想定を反映していないため、浸水する恐れがある施設はさらに増える可能性がある。
こうした推計は、4日の社会資本整備審議会建築分科会官公庁施設部会に報告された。2012年3月現在のハザードマップに基づき、津波浸水の可能性がある施設を抽出した。
それによると、国の合同庁舎(中央・地方264施設、港湾94施設)の中で、浸水の可能性がある施設は17%に当たる61施設。うち1b以上の浸水は44施設だった。施設の位置が海岸から2`未満の施設は、45%の161施設となった。
また、海上保安署が入居する庁舎(148施設、合同庁舎を含む)をめぐっては、36%に当たる53施設が浸水、うち33施設が1b以上の浸水の恐れがある。施設の位置が海岸から2`未満の施設は89%の131施設だった。
一部の自治体については、浸水の恐れがある施設名も示した。静岡県では、下田地方合同庁舎、下田海上保安部、御前崎港湾合同庁舎、浜松地方合同庁舎で津波による浸水の恐れがあるとした。高知県では、安芸地方合同庁舎、高知港湾合同庁舎、高知地方合同庁舎、須崎地方合同庁舎、宿毛海上保安署、土佐清水海上保安署で浸水の恐れがあるという。
提供:建通新聞社