原子力安全・保安院は、いわゆる「屋根貸し」による太陽光発電設備の取り扱いと電気主任技術者制度の運用について、各地域の産業保安監督部に通知した。通知では、電線路を別途設けて送電するケースを事業用電気工作物として取扱い、電気主任技術者の選任などの義務を課すと明記。ただし、太陽光発電事業者がこの引込線を設置する際は、当面の期間、出力合計が2000`hなどを条件に電気主任技術者の兼任を認めるとした。
電気事業法では、出力50`h未満の太陽光発電設備は一般用電気工作物とされていたが、ことし4月の同法施行規則改正で、売電用の再生可能エネルギー設備は1構内に電線路を2線引き込むことが可能になった。保安院では6月29日付で、この施行規則改正に伴う太陽光発電設備の保安規制の運用方法を通知した。
通知によると、受電用引込線を介して売電電力を引き込む場合、太陽光発電設備は一般用電気工作物として取り扱い、電気主任技術者の選任は不要とする。一方、売電用の電線路を別途設けて接続する太陽光発電設備は、事業用電気工作物とし、電気主任技術者の選任と保安規定の策定・届出を義務付ける。
事業用電気工作物として取り扱う太陽光発電設備のうち、一般電気事業者が引込線を設置するケースでは、保安管理業務を外部委託できる「不選任承認制度」の活用を認める。太陽光発電事業者が引込線を設置するケースでは、この不選任承認制度の活用は認めず、自社従業員や派遣労働者などから電気主任技術者を配置する必要がある。
ただ、屋根貸しを前提とする出力50`hの太陽光発電設備については、2時間以内で到達できる距離であることを条件に「合計出力が2000`hまで又は合計5カ所まで」の原則で、電気主任技術者の兼任配置を認めることにする。
提供:建通新聞社