東日本大震災で発生したがれきの処理を促進するため政府は、国土交通・農林水産・環境の各省が総合評価方式で発注する直轄工事で、がれきの焼却灰を原料としたセメント(再生セメント)を使用する企業を加点評価することを決めた。コンクリートを主要工種に含む工事で、再生セメントを使用している場合に2点程度を与える。再生セメントの供給体制が整った岩手県内で、7月1日から入札契約手続きを始める工事を対象に試行。対象地域は順次拡大していく方針だ。29日に開いた「災害廃棄物の処理の推進に関する関係閣僚会合」で、こうした考え方が示された。
東日本大震災では、膨大な量のがれきが発生したが、放射性物質の含有に対する懸念などから広域処理が進まず、最終処分率は低い水準にとどまっている。こうした状況を打開するため、本年4月の関係閣僚会合で再生セメント使用に加点評価する方向性を提示。今回の会合では、具体的な運用方法を明確化した。
それによると、加点措置の対象工事は、橋梁下部工などコンクリートを主要工種に含む直轄工事(高度技術提案型は除く)とする。
運用に当たり、競争参加者は入札段階で、再生セメント使用の有無を技術資料提出時に明示。受注者には契約段階で生コン会社の再生セメント使用証明書の提出を求める。再生セメントの使用量は問わない。
受注者が実際に使用しなかった場合には、工事成績評定点の減点などのペナルティーが科される。
提供:建通新聞社