国土交通省がまとめた2011年建設業活動実態調査によると、大手建設業55社(総合建設業35社、設備工事業20社)の常時従業者数は前年比1%減の16万3316人となり、1994年の調査開始以降の最低を更新した。国内売上高も8・3%減の11兆9560億円で調査開始後最低。一方、海外建設事業の契約額は1兆2674億円で8・8%増加した。
今回の調査のうち、売上高は11年10月1日時点の直近事業年度の1年間、従業者数は11年10月1日時点の直近の事業年度の決算期末を対象としている。このため、東日本大震災後の復旧・復興事業の影響などはほぼ反映されていない。
常時従業者数は、総合建設業で10万2331人の1・8%減、設備工事業で6万0985人の0・4%増。職種別では事務職が3万8093人(1%減)、技術職が10万8449人(1・3%減)、技能職が1万4613人(0・1%増)などとなった。常時従業者数の合計は、08年以降4年連続で減少している。
国内売上高の総額は8・3%減の11兆9560億円。事業別では土木・建築工事が8・2%減の8兆8947億円、設備工事が10・4%減の2兆5621億円となった。建設工事以外の売り上げは、建設関連業が6・2%増の1053億円、不動産業が5・8%増の2612億円、設備機器の製造・販売が66・9%減の53億円、建設資材の製造・販売が23%増の38億円などとなっている。
海外建設事業の契約金額を見ると、海外展開している46社の合計額は1兆2674億円で8・8%の増加。発注者別では日系企業が4427億円で16・9%増、そのほかの民間企業が4399億円で10・8%増となった一方、公共機関が3848億円の1・2%減と、わずかに減少した。プロジェクト別では「プラント関連の建設・設備」が2041億円で42・8%増加した。
提供:建通新聞社