国土交通省は、元下関係の適正化に向けた「建設業法令遵守ガイドライン」を7月にも改訂する。社会保険未加入対策を推進する観点から、企業にとって社会保険加入が義務であることをあらためて明確化するとともに、必要な法定福利費を確保した上で下請けに適切に支払うことなどを盛り込む見込み。27日に開く「社会保険未加入対策に係る全国建設業担当者会議」に、こうした考え方を示す。
「建設業法令遵守ガイドライン」は、元下間の対等性確保や公正・透明な取引の実現を目的に、元下関係についてどのような行為が建設業法などに違反するかを具体的に示すもの。社会保険をめぐっては、現行のガイドラインでも▽健康保険と厚生年金保険は、法人が全事業所、個人が常時5人以上の従業員を使用する場合に必ず加入手続きを行わなければならない▽雇用保険は、法人、個人にかかわらず、労働者を1人でも雇用する限り必ず加入手続きを行わなければならない―ことなどが記載されている。
今回の改訂は、社会保険未加入対策の一環として実施する。社会保険加入が法律で義務付けられていることをより強く打ち出すことに加え、社会保険加入に必要な費用を下請けがしっかり確保できるよう、法定福利費が下請けまで適切に流すための取り組みを元請けに求める内容となりそうだ。
提供:建通新聞社