2012年度の建設投資(名目値)は、前年度に比べ7・9%増の45兆3100億円と2年連続で増加する見通しであることが、国土交通省のまとめで分かった。東日本大震災の復旧・復興や全国防災に充てるため、政府投資が12・5%増の19兆0600億円に増加することに加え、民間投資も4・8%増の26兆2500億円に増えるとみている。ただし、ピークだった1992年の83兆9708億円に比べると、建設投資の総額はほぼ半分の水準にとどまっている。
地域別では、北海道が20%減の1兆7600億円、東北が29・9%増の5兆8700億円、関東が12%増の16兆6900億円、北陸が増減なしの2兆2600億円、中部が2・7%減の5兆0600億円、近畿が7・9%増の5兆6000億円、中国が2・2%増の2兆3100億円、四国が7・3%増の1兆3200億円、九州が5・9%増の3兆9300億円、沖縄が2%増の5100億円。復旧・復興関係の投資が見込まれる東北や関東の伸びが際立った。
工事種類別では、建築投資が6・1%増の24兆5400億円で、内訳は政府が23・1%増の3兆2000億円、民間住宅が5・8%増の13兆9000億円、民間非住宅が0・8%増の7兆4400億円。土木投資は10・1%増の20兆7700億円で、内訳は政府が10・6%増の15兆8600億円、民間が8・4%増の4兆9100億円となる見通し。
政府投資のうち、東日本大震災関連の復旧・復興や全国防災関連の建設投資は4兆2500億円程度と推計。地域別では、東北が2兆2200億円(建築7400億円、土木1兆4800億円)、関東が1兆2100億円(建築3600億円、土木8500億円)、その他の地域が合わせて8200億円(建築2100億円、土木6100億円)を見込む。
震災復旧・復興関連の建設投資が日本経済に及ぼす影響については、名目国内総生産を1・05%、実質国内総生産を0・9%程度引き上げることになる。また、建設投資で誘発される各産業の生産額(生産誘発効果)で見ると、全産業で8兆3300億円程度の生産活動が行われるものと予想。これらによって49万8000人程度の雇用創出効果が見込まれるという。
提供:建通新聞社