トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2012/06/21

農水省が施工パッケージ型導入検討

 農林水産省は、10月から国土交通省が試行導入する「施工パッケージ型積算方式」について、同省発注工事への導入に向けた検討に着手した。同方式は、直接工事費の積算を機械経費・労務費・材料費を一つにまとめた施工パッケージ単価を設定して行う新たな積算手法。農水省は、2012年度中に同方式を導入した場合の課題を整理し、13年度以降に採用の是非を判断するとしている。
 国交省が試行する施工パッケージ型積算方式は、04年に導入されたユニットプライス型積算方式に代わる積算手法。直接工事費の積算を機械経費・労務費・材料費を一つにまとめて施工パッケージ化した「施工パッケージ単価」で行う。施工パッケージ単価は、総価契約単価合意方式で受発注者間で合意した単価を活用し、複数年の単価傾向や実際の施工状況などの変動も反映させる。
 国交省は10月1日以降に入札手続きを始める工事で同方式を試行する。施工パッケージ単価は、舗装、道路改良、築堤・護岸の細別を先行して設定し、徐々に対象を拡大する方針だ。
 こうした動きを受け、農水省も同方式の導入に向け、東海・北陸・近畿の地方農政局が調査して工種ごとの単価収集や施工単価の分析などを行い、導入後の課題を整理する。早ければ13年度にも試行工事を行うなどし、積算業務の効率化などの効果が得られるようなら本格的に導入する考えでいる。
 ただ、農水省では、06年度にユニットプライス型積算方式を試行導入したが、受注者などの反対の声を受けて本格導入を見送った経緯がある。このため、施工パッケージ単価の設定に必要な受発注者間の合意単価のサンプルがないなど、導入に向けた根本的な課題もあり、同方式の導入に向けても慎重に対応を検討するなどとしている。

提供:建通新聞社