国土交通省は15日、府省自らが事業仕分けを行う「行政事業レビュー」の公開プロセス(2日目)を行った。外部有識者らは、直轄道路の維持管理について「適切な将来推計を行い、施設の既存データを開示すべき」などとする評価をまとめ、「一部改善」とする判定結果を下した。公物管理補助業務における公益法人の1者応札に対しては「民間事業者の参入を促すよう競争性をさらに向上させるべき」と改善を要求した。
国交省は、直轄道路の維持管理のうち、特に橋梁の長寿命化について現状を説明。11年度予算に計上された直轄道路の維持修繕関係費2158億円のうち、775億円が橋梁の点検・修繕に配分されているとした。直轄国道に架かる橋梁では5年に1回のペースで点検を行い、その結果に基づく長期修繕計画を策定した上で、予防保全による長寿命化を進めている。
これに対し、外部有識者からは「将来の推計を示した上で、国民に対し維持管理への予算配分の必要性を説明する必要がある」「客観的な橋梁の健全度についてデータを集計すべきだ」などの意見が挙がった。
道路許認可審査・適正化指導業務などの公物管理補助業務については、これまでの事業仕分けで公益法人による1者応札の多さを問題視されたため、入札参加条件を緩和した。ただ、11年度も1者応札が54・3%と高止まりしていることから「従来の方法で不十分なら、新規参入を促す施策を取り入れなくてはならない」と再度の改善を求めた。
提供:建通新聞社