国土交通省がまとめた2011年4月〜12月期における直轄の調査・設計業務の契約状況によると、総合評価落札方式の低入札落札発生率は前年度の7・2%から0・7%に大きく減少した。価格競争を含めた全案件の低入落札発生率も5・5ポイント下がり、10・3%となった。11年度は調査基準価格を下回った全入札者に追加資料の提出を求める「履行確実性評価」の対象を予定価格2000万円から1000万円以上に拡大したことが大きく効果を発揮。直近の11年10月〜12月には、総合評価での低入札はゼロだった。
11年4月〜12月期に契約した調査・設計業務は1万2047件。調達方式別の内訳では、総合評価の導入件数が最も多く4992件で全体の41・4%(前年度比1ポイント増)を占め、次いで価格競争が4435件で36・8%(2ポイント減)、プロポーザル方式が2445件で20・3%(0・3ポイント減)、随意契約が175件で1・5%(0・1ポイント減)となった。
総合評価が導入された07年度と比較すると、総合評価の導入率は0・1%から41・4%まで増加。一方、価格競争は07年度の52・3%から36・8%、プロポも29・8%から20・3%にそれぞれ減少した。
総合評価を導入した6147件における低入落札の発生状況を見ると、価格評価と技術評価の割合が1対1の総合評価で前年度の12・7%から1・3%に大きく減少。1対2と1対3の総合評価でも4・4%から0・4%に発生率が下落しており、総合評価全体でも7・2%から0・7%に発生率が減少した。一方、価格競争の低入落札発生率は前年度の34・3%から32・4%にわずかに下がったとは言え、依然高止まりの状況にある。
同省では低入落札率の下落について、11年度に予定価格1000万円以上に対象範囲を広げた履行確実性評価の効果が表れたと見ている。履行確実性評価は、調査基準価格を下回った全入札者に、業務内容に応じた必要経費や配置予定技術者に対する適正な支払いなどの4項目を記載した追加資料を提出させ、技術提案評価点の中で減点評価する仕組み。
対象範囲を拡大した11年度上半期は履行確実性評価を導入した3629件の0・9%で低入落札が発生したが、10月〜12月になると低入札の発生件数はゼロになった。
提供:建通新聞社