民主党成長戦略・経済対策PTの官民連携小委員会は、PFI・PPP推進に向けた政府への提言をまとめた。PFI・PPPの導入が進んでいない現状を打開するため、閣僚級の「民間資金等活用事業推進会議」がかじ取り役となって事業所管省庁に積極的な推進を指示することや、国・地方自治体が公共施設を整備する際に予算査定の段階でPFI導入の可否を判断する仕組みを検討することなどを求めている。
小委員会では、高度成長期に集中的に整備された社会資本の維持管理費の増加が見込まれる中、社会資本の新規投資や維持管理を財政的に支えるには、民間資金やノウハウの活用が不可欠と指摘。PFI・PPPを導入する案件の形成を支援するため、支援体制強化に向けた具体策を政府に提言した。
提言では、2011年度のPFI法改正で導入された、事業の運営権を民間に長期付与する「コンセッション方式」を適用できる事業の大半は地方自治体が所管しているが、多くの自治体が既存事業体制を脱却できていないと問題視した。
これに対し、事業所管省庁の厚生労働省、文部科学省、経済産業省、復興庁などが自治体を積極的に支援する必要性を指摘。閣僚級の民間資金等活用事業推進会議を司令塔に、関係省庁にPFIに関する担当部署を指定するなど、体制強化を図ることを求めた。
また、国・地方自治体が公共施設を整備する際に、予算査定の段階からPFIの実施を検討する仕組みを12年度中に導入することも求めた。地域活性化に貢献するPFI事業にインセンティブを与えることも検討するよう訴えている。
提供:建通新聞社