国土交通省は、専門工事業団体による優良企業認定制度の構築を後押ししていく方針を固めた。社会保険に適切に加入していることや、人材や機材を確保していることなどを評価基準に位置付け、健全な専門工事業者を育成する狙いだ。同省の「建設技能労働者人材確保・育成促進事業」を活用して全体の枠組みを検討していく。制度の普及が進めば、入札契約制度などでのインセンティブ措置の対象となる可能性もありそうだ。
優良企業認定制度をめぐっては、社会保険未加入対策の徹底に向けて建設業団体が策定する「社会保険加入促進計画」に、「保険加入を促進するため、適切に保険加入しているなどの優良企業を認定する仕組みを記載すること」とされた。
このため国交省は、建設業界内外での取り組みを把握した上で、制度の枠組みを検討する必要があると判断。検討業務の委託先として、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(港区)を特定した。
専門工事業団体の中には、既に類似の取り組みを展開しているところがある。全国基礎工業協同組合連合会が2010年4月から運用を始めた「優良適格業者認定制度」だ。
この制度は、▽杭打ち機などの建設機械と付帯する機械・設備を所有している▽直用の技術・技能を有している▽設立10年以上の社歴と工事実績が証明されている▽機械置場が確保されている▽雇用保険に加入している▽納税証明書が用意されている―ことなどを評価基準に設定。これらを数値化し、得られた点数に応じて企業をA・B・Cの3グレードに区分する仕組みを採用している。
製造業の分野でも、優良・適格な請負事業者を認定する「製造請負事業優良適正事業者認定制度」がスタートしている。
提供:建通新聞社