2012/06/04
総合特区 東京は2・3兆円の波及効果 関西はスマコミに重点化
民主党の成長戦略・経済対策PT特区・地域活性化・規制改革小委員会は5月31日、総合特区制度の国際戦略総合特区に指定された7地区から、指定時に付された留保条件に対する回答を受けた。東京都は「アジアヘッドクォーター特区」として外国企業を誘致することで、全国的な経済波及効果が約2・3兆円期待できると回答。大阪府などの「関西イノベーション国際戦略総合特区」は、スマートコミュニティの普及などに優先的に取り組む方針を説明した。
政府・民主党は、昨年12月に国際戦略総合特区を指定した際、取り組みが不十分な項目を留保条件とし、改善を図った上で報告するよう求めていた。
外国企業の誘致により、民間投資の誘発を図るとした都の「アジアヘッドクォーター特区」に対しては、留保条件として企業誘致が日本経済全体に与える影響を明示するよう要求した。都は、東京に誘致した外国企業の二次投資により、都外にも波及効果が期待できるとし、全国な経済波及効果を2・3兆円と算定。このうち約1・3兆円が都外に波及するとの試算を示した。
大阪府・京都府・兵庫県などの「関西イノベーション国際戦略総合特区」では、特区内での事業の優先順位を付けるよう指摘された。これに対し、特区内で実施する32事業のうち、優先的に7事業を進め、3年程度で産業化を図ると回答。このうち、スマートコミュニティについては、夢洲・咲洲、北大阪、けいはんなの3地区で実証事業を行い、関連市場の創出などにつなげるとした。
総合特区制度は、政府が全国的な展開に至らない規制緩和措置を地域限定で実施したり、税制・財政上の支援措置を与える仕組み。昨年12月、経済成長を牽引する産業集積拠点を対象とする「国際戦略総合特区」に7地区、地域資源を生かして地域活性化に取り組む「地域活性化総合特区」に26地区が指定された。