消費増税に向けた議論が進む中、全ての品目に対する一律増税を危惧する住宅生産団体連合会(住団連、樋口武男会長)は、「住宅に係る消費税の負担軽減の具体化についての要望」をまとめた。増税により「耐震化や省エネ化、長寿命化など、住宅の質に関する重要課題の解決を遅らせる」とし、消費税率5%を超える部分に相当する金額を還付するなどの方法を提言した。
国土交通省の調査結果によると、住宅の新築を検討する際、半数近くの人が「おおむね2年先」を見据えて計画を立てているという。住団連は「2014年4月からの増税と仮定すると、現在取得を検討している人も費用負担の増を考慮せざるを得ない」と指摘した。
さらに、「ほかの先進諸国では、住宅に対する税率をゼロ〜5%程度とする軽減措置などを講じている」との実例を示し、「時限的な特例措置ではなく、法律に基づいた恒久的・安定的な制度とする必要がある」との認識を示した。
また、消費財としての税が課せられる一方で、資産としても課税される税制そのものに対しても議論の余地があるとした上で、「今回の提言は、喫緊の課題として消費増税への対応策をまとめたが、今後も住宅税制の抜本的な改革に向けて議論を進めていく」との方向性を示している。
提供:建通新聞社