国土交通省は、2012年度を初年度とする新たな社会資本整備計画の素案をまとめた。達成すべき目標として、主要なターミナル駅の耐震化率を15年度末までおおむね100%にすることや、緊急輸送道路上の橋梁の耐震化率を現行の77%から16年度末までに82%へと引き上げることなどを新たに明確化した。一般からの意見募集や都道府県からの意見聴取を経て、今夏に新計画を閣議決定する。
社会資本整備重点計画は、社会資本整備を重点的・効果的に進めていくため今後の公共投資の方向性を示すもの。計画期間は12年度から16年度までの5年間を想定している。
新計画は、中長期的な社会資本整備の在るべき姿として、新たな成長や価値を創造する国家戦略・地域戦略の実現など三つの視点、国土の保全や地域の活性化など九つの政策課題を提示。これを踏まえ、災害に強い国土・地域づくりやストック型社会への転換などの実現に向けた計18項目のプログラムで構成している。
プログラムのうち、計画期間中に戦略的・重点的に実施すべき事業・施策をめぐっては、▽大規模・広域的な災害リスクを低減▽産業・経済の基盤や国際競争力を強化▽持続可能で活力ある国土・地域づくりを実現▽的確な維持管理・更新の必要性―といった「選択と集中」の基準に沿って、重点目標などを整理した。
目標の達成状況を定量的に測定するための新たな指標も導入。ただし、指標の設定により、歳出が固定化・硬直化されるものではないことにも言及している。
主な定量的指標は次の通り(@現行A目標)。
▽主要なターミナル駅の耐震化率―@88%(10年度末)Aおおむね100%(15年度末)▽緊急輸送道路上の橋梁の耐震化率―@77%(10年度末)A82%(16年度末)▽下水道による都市浸水対策達成率―@53%(11年度末)A60%(16年度末)▽道路斜面や盛土などの要対策箇所の対策率―@54%(10年度末)A68%(16年度末)▽三大都市圏環状道路整備率―@56%(11年度末)A75%(16年度末)▽市街地などの幹線道路の無電柱化率―@15%(11年度末)A18%(16年度末)▽道路の都市間速達性の確保率―@46%(10年度末)A50%(16年度末)▽都市計画道路(幹線街路)の整備率―@59%(09年度末)A63%(16年度末)▽通学路の歩道整備率―@51%(10年度末)A60%(16年度末)▽良好な水環境創出のための高度処理実施率―@33%(11年度末)A43%(16年度末)
提供:建通新聞社