経済産業省と環境省はフロン回収・破壊法で義務付けている冷凍空調機器などフロン類の回収と適正処理について、現行制度の見直しに向けた議論を本格的に始めた。2007年度の法改正で導入した行程管理制度の対象範囲拡大に加え、フロン類の所有状況の報告制度導入など、規制強化の方向で議論を進める。解体工事の元請け業者に義務付られている発注者への事前説明義務の担保措置や、事前確認書の保管義務なども話し合う。
07年10月に施行した改正フロン回収・破壊法では、冷凍空調機器に関する行程管理制度の導入や解体建築物における機器の設置有無の確認など、フロン類の適正処理に関する制度強化が図られた。しかし、経産省の調査で、改正法施行後も廃棄時に回収されるフロン類が約3割にとどまっていたり、使用中の冷媒フロン類の漏えいが想定よりも大きいことが分かっている。
このため、経産省と環境省は28日、合同の有識者会議を開き、今後月1回程度のペースでフロン類対策の強化を議論することを決めた。フロン回収・破壊法の改正も視野に入れる。
具体的には、これまで流通過程の一部(冷凍空調機器の所有者からフロン類回収業者の引き渡し時)に限っていた行程管理制度の対象を、フロン類破壊業者への引き渡し時まで拡大することを検討する。冷凍空調機器の使用時漏えいを抑制するため、所有者に対する定期点検や所有状況の報告の義務化も議論する。
また、現行制度では、建築物の解体工事の元請け業者に、冷凍空調機器の設置の有無を確認し、発注者に事前説明することが求められている。合同会議では、事前確認書を元請け業者が3年程度保管することを義務化したり、発注者への説明義務の担保措置を強化することなども論点として挙がっている。
提供:建通新聞社