復興庁は25日、東日本大震災の被災自治体に対する復興交付金の2回目の配分額を決定し、交付対象となった8県の71市町村に通知した。配分額は事業費ベースで3166億円(うち国費2612億円)。実施のめどが立った事業に対する配分を前倒しにしたことなどで、配分額が各自治体の申請額を大幅に上回った。宮城県内の市町村には、1回目の配分で見送られた津波への「二線堤」の役割を担う道路事業などにも重点配分し、8県で最大の1704億円を交付する。
県別の事業費は▽青森県9000万円▽岩手県980億6000万円▽宮城県1703億6000万円▽福島県371億4000万円▽茨城県44億6000万円▽千葉県53億9000万円▽新潟県9000万円▽長野県9億9000万円―とする。
3月末に締め切った自治体からの申請額は2139億円だったが、早期の実施が見込まれる事業に前倒しで配分したり、事前の計画提出・承認を必要としない「効果促進事業」に一括配分を行うことで、配分額が申請額を大幅に上回ることになった。ただ、学校耐震化や個人住宅への支援などへの配分は原則として認めず、所管する文部科学省や国土交通省に対し、既存の国庫補助事業で対応するよう要請した。
主な事業別では、沿岸部からの高台移転などを支援する「防災集団移転促進事業」の配分額を1288億円としたほか、「災害公営住宅整備事業」に417億円を配分し、13年度までに約2000戸を完成させるとした。このほか▽水産・漁港関連施設整備事業153億4000万円▽農地整備事業13億6000万円▽市街地液状化対策事業8億2000万円▽造成宅地滑動崩落対策事業7億3000万円―などの配分を決めた。
復興庁では、6月末までに3回目の事業計画の提出を被災地の自治体から受け付ける。
提供:建通新聞社