国土交通省は22日、社会保険未加入対策推進協議会ワーキンググループ(WG)の初会合を開き、社会保険未加入対策の実務的な検討に着手した。この中では、専門工事業団体ごとに法定福利費の標準見積もりを策定し、2013年度から本格運用する方針を確認。ただ、専門工事業団体の委員からは「専門工事業だけが頑張っても実効性がない。発注者や元請けの適切な対応が求められる」との意見も出た。
社会保険未加入対策推進協議会は、行政・発注者・元請け・下請け・労働者などが一体で対策を進める場として、国交省が設置を決めた。5月29日に全国協議会の初会合を開いた上で、夏をめどに各地で地方協議会を開催する。
今回のWGは、全国協議会の準備会合としての位置付けで、法定福利費の確保方策や、社会保険未加入対策の周知・啓発内容などについて具体的な事項を整理した。
法定福利費をめぐっては、事務局側が専門工事業ごとに標準見積りを作成する必要性を指摘。委員として参加する専門工事業団体側はこうした取り組みに賛意を示しつつ、発注者や元請けが標準見積もりの活用に協力する環境を整備するよう訴えた。
就労実態の正確な把握に役立つとされる就労履歴管理システムについては、実用化に当たっての課題を整理した上で、本格的な導入の時期などを明確化したロードマップを今後検討していく方針だ。
一人親方化や偽装請負への対策として、一人親方・重層下請け構造の実態把握に向けた調査に今夏から着手することにした。
提供:建通新聞社