内閣府の中川正春防災担当大臣は16日、全国知事会、全国市長会、全国町村会の代表者と南海トラフ巨大地震対策に関する意見交換会を行った。この会合で中川大臣は、南海トラフ巨大地震の対策を話し合う国と地方の協議会を設置することを地方側に要請。出席した全国知事会の泉田裕彦新潟県知事や尾ア正直高知県知事らは賛同する意向を示したという。
意見交換会には、全国知事会災害対策特別委員会の委員長を務める泉田新潟県知事と、同委員会委員の尾ア高知県知事のほか、全国市長会の小林眞青森県八戸市長、全国町村会の白石勝也愛媛県松前町長が招かれた。
中川大臣は意見交換会の冒頭で「南海トラフ巨大地震などの広域災害に対しては地方自治体と国が連携し、災害時のバックアップ体制を構築することが重要」と自治体の協力を要請。東海・東南海・南海地震が連動して発生する南海トラフ巨大地震の対応について、地域ブロック別に国と地方で協議会を設置し、広域的支援体制の構築を検討するよう申し出た。
出席した知事らも協議会の設置を前向きに検討する意向を示したため、内閣府では6月中にも協議会を設置できるよう、準備を進めるとしている。
意見交換会では、内閣府が3月末に公表した南海トラフ巨大地震の震度分布や津波高の推計などの内容を説明。地方側からは、推計の公表と同時に対策も打ち出すべきなどの意見が出たという。高知県の尾ア知事は同県が独自にまとめた津波浸水予測なども紹介した。
提供:建通新聞社