福山市(広島県)で発生したホテルの火災事故を受けて国土交通省は14日、旅館やホテルなどでの防災対策の徹底を都道府県などに要請した。過去に指導した事項が是正されていない施設などを重点に防災査察を実施することや、定期報告制度の運用を徹底することなどを求めた。
5月13日に福山市のホテル・プリンスで発生した火災事故は、死者7人、負傷者3人の大惨事を招いた。一部報道によると、行政庁から安全上の不備が指摘されていたにもかかわらず、是正が十分でなかったとされる。
このため国交省は、都道府県などに防災対策の徹底をあらためて呼び掛けることにした。具体的には、▽旅館、ホテルなどのうち、過去に行った防災査察や定期報告などで指導した事項が是正されていないもの、定期報告が未提出であるものなどに重点を置いて防災査察を実施する▽建築基準法に基づく定期調査・定期報告の徹底に向けて、体制の整備、関係者・団体の指導などの措置を早急に講じ、報告制度の運用を徹底する―こととした。
この火災事故に絡んでは、消防庁も防火対策の更なる徹底を14日付で都道府県などに要請。消防法令違反などがある施設に対しては、重点的に改善を指導し、違反処理基準に基づき早急に所要の措置を講じることなどを求める内容となっている。
提供:建通新聞社