環境省は、福島県の除染特別地域内で行う除染工事に採用する設計労務単価を決めた。国土交通省と農林水産省が決定した「2012年度公共工事設計労務単価」のうち、福島県内の設計労務単価から除染に関係する10職種を採用した。通常の設計労務単価のほかに、除染電離則に基づく放射線管理など、工事の特殊性に配慮し「特殊勤務手当」として1日1万円を加算する。
設計労務単価は、同省が直轄工事として実施する「平成24年度田村市除染等工事」に採用。同工事は11日に公示したもので、7月から始まる本格除染の第1弾に当たる。同省では、設計労務単価とともに除染のための積算基準(暫定版)や共通仕様書、特記仕様書も合わせて策定した。
職種別の設計労務単価は▽作業指揮者1万6200円▽特殊除染作業員1万3900円▽普通除染作業員1万0700円▽運転手(除染特殊)1万2900円▽運転手(除染一般)1万1600円▽樹木除染工1万4500円▽とび工(除染)1万4900円▽交通誘導員A(除染)8600円▽交通誘導員B(除染)7900円―とした。国交省と農水省が決めた公共工事設計労務単価(福島県)のうち、除染工事に関係する10職種をそのまま採用した。
この単価に特殊勤務手当として1日1万円を追加する。既にことし1月以降に先行除染として発注された除染業務委託などでも同額を手当てしており、公務員が福島第一原子力発電所の警戒区域内などで勤務する際の特殊勤務手当を根拠に金額を決めた。
国交省と農水省は、上昇が著しい被災3県の設計労務単価を3カ月に1度のペースで見直すとしており、除染の単価もこれに応じて改定することになる。
提供:建通新聞社