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中央ニュース

2012/05/07

中小企業の景況は「横ばい

 中小企業庁は、中小企業の景気動向や東日本大震災の被災地の事業再開のようすなどを示した中小企業白書(2012年版)をまとめた。中小企業の景況は、円高、原燃料の価格高騰、電気料金の引き上げ、電力需給のひっ迫などの影響が懸念され「横ばいの動き」と分析。東日本大震災の津波浸水地域では、事業継続・再開の割合が7割に満たない状況にあるとしている。
 中小企業の景況は、復興需要がある東北をはじめ、各地域で持ち直しの動きがみられるが「改善のテンポは緩やか」と指摘。大震災直後に悪化した資金繰りについては、東日本大震災復興特別貸付などの効果で11年度第3四半期には回復したほか、倒産件数も前年比マイナスで推移している。ただ、震災関係の倒産は11年に542件発生しており、月別件数も高止まりの状況が続いている。
 東日本大震災は津波浸水地域と原発警戒区域ないにある中小企業約12万社に影響を与えた。東北地方の生産は大震災前の95%にまで回復したものの、津波浸水地域にある中小企業の事業継続と再開割合は現在も約7割の状況にある。
 一方で、白書では、震災後の地域ニーズを把握し、まちづくりや地域の復興に取り組む中小企業を掲載。既存技術を生かして放射能除染広報の開発に取り組む塗装業や、「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」を活用して建物や設備復旧を進める商店街や水産業などの取り組みを紹介している。
 このほか、中小企業の経営を支える金融機関の支援状況なども分析。中小企業庁の調べに対し、金融機関からの経営支援を受けた中小企業の7割が▽財務内容の改善▽事業継続▽売上の増加▽事業分野の拡大―などに効果があったと回答した。具体的には「既往取引先の融資案件拡大につながった」「不良債権の抑制に効果があった」「既往取引先の格付けが向上した」などとした。

提供:建通新聞社