政府は27日、環境保全に関する政策の大綱となる「第4次環境基本計画」を閣議決定した。基本計画では、温室効果ガスを2050年までに80%削減(1990年比)する目標を明記したほか、20年までに環境関連新規市場50兆円、新規雇用140万人を生み出すとした。除染などで放射性物質による環境汚染からの回復に取り組む方針を新たに盛り込んだ。
環境基本計画は6年に1度のペースで改定している。温室効果ガスの削減目標については、09年11月の日米合意を堅持し、50年までに80%を削減する目標を盛り込んだ。
環境産業の市場規模と雇用規模が拡大基調にある中で、20年までに50兆円超の新規市場、140万人の新規雇用を創出する目標を打ち出した。1400兆円を超える国内の個人金融資産や海外の資金が環境分野に活用される政策を打ち出すとしている。
エネルギー起源の排出削減対策も強化する。原子力発電への依存度低減と同時に、省エネの推進や再生可能エネルギーの導入にも取り組む。具体的には、HEMS・BEMS、ガスなどを活用したコジェネレーション、蓄電池などを組み合わせた自立・分散型エネルギーシステムを地域特性に応じて普及させるとした。
福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質については、汚染廃棄物・土壌に関する規制など、法制度の在り方を見直す。放射性物質対処特措法による除染などの取り組みに加え、環境基本法などの枠組みでも環境汚染への対応を検討する。
提供:建通新聞社