経済産業省は、風力発電事業の環境影響評価実施要綱案をまとめた。環境影響評価法の改正政令が10月1日に施行され、風力発電事業が環境影響評価の対象に追加されることに伴い、既に自主的に環境影響評価を実施している事業者が手続きを再度実施する必要がでてくる。事業者の手戻りを防ぐことを目的に、実施要綱で改正政令の施行に伴う経過措置を講じる。 風力発電事業は、環境影響評価法の政令改正で環境影響評価の対象に追加されるが、これまでも条例で環境影響評価の実施を義務付けられている地域が多い。
また、条例を定めていない地域でも、事業者が新エネルギー・産業技術総合開発機構が作成したマニュアル(NEDOマニュアル)に従って自主的に環境影響評価を行う事例もある。
こうしたケースでは、改正政令の施行後に、環境影響評価法に基づく手続きを最初からやり直す必要がある。このため、実施要綱の作成により、NEDOマニュアルに基づく手続きを自主的に実施した事業の大幅な手戻りをなくす経過措置を講じる。具体的には、通常270日間が必要な準備書の審査機関を大幅に短縮し、政令改正の施行前に手続きを終えることができる激変緩和措置とする。
提供:建通新聞社