中小企業庁は20日、電気料金と原材料価格の上昇に関する下請け取引の適正化を全国の親事業者約2万2000社に要請した。東京電力などが進める電気料金や原材料価格の上昇などで下請け事業者が受ける負担増分を、下請け代金として適正に支払うよう求めている。
建設業(資本金3億円以上)を含む全国の大企業約2万2000社に要請した。東京電力は、4月1日以降に契約更改する事業者に対し、電気料金の引き上げを求めている。原材料価格も上昇傾向にあるため、下請け事業者にとって厳しい経営環境が続いている。
中小企業庁は、価格交渉力の弱い下請け事業者から負担増分を価格に転嫁できないという声が寄せられているとし、親事業者に下請代金支払遅延等防止法(下請法)に基づき、適正な下請代金の支払いを要請。
この中で、一方的な下請け事業者へのしわ寄せは、下請法違反になる可能性があると指摘。親事業者が電気料金と原材料の値上げ分を取引先に転嫁できない際、下請け事業者の下請け代金から負担増分を差し引いて支払ったり、負担増分を反映しない単価を一方的に決定することがないよう求めた。
提供:建通新聞社