民主党の行政改革調査会調達・公共サービス改革WT(田村謙治座長)は19日の会合で、公共工事の総合評価方式が抱える問題点などについて意見を交わした。この中で、衆議院議員の平智之氏は「総合評価方式は競争制限につながりかねない側面がある。発注者が技術提案を適正に評価できるかも疑問」と指摘した上で、「標準的な工事では、まず価格競争で順位を決めた後、一番札の企業から施工能力などを評価し落札者を決定する仕組みを導入すべき」と訴えた。
このWTは、公共工事を含む調達や公共サービスの在り方を抜本的に見直すことを目的に設置された。5月をめどに提言をまとめる方向で議論を進めている。今回の会合では、国土交通省などからのヒアリングを踏まえ議論を展開した。
意見交換の中で平氏は、総合評価方式について「品質確保というよりもダンピング対策を目的として活用を進めてきた経緯がある。このことは競争制限につながりかねず、運用に当たっては発注者が高い能力で念入りに技術提案を評価しなければらない。しかし、現在の発注者にこうした技術提案を評価できるのか」と疑問を呈し、総合評価方式の改善を求めた。この他の議員からも、総合評価方式の透明性を疑問視する声が寄せられた。
こうした指摘に対し国交省は「発注機関ごとに総合評価方式に関する委員会や入札監視委員会を設けるなど、恣意性を排除する取り組みを実施している」などと回答した。
提供:建通新聞社