経済産業省・環境省・農林水産省は、温室効果ガス排出削減の資金調達に利用されている「国内クレジット制度」と「オフセット・クレジット(J−VER)制度」の統合に向けた検討を始めた。2008年度に創設された二つの制度は、京都議定書の約束期間が終わる12年度末に終了することになっており、3省で設置した有識者会議で統合後の枠組みを検討し、13年度に新制度へと移行する見通しだ。
国内クレジット制度は経産省・環境省・農水省が共同で08年10月に創設した。中小企業が再生可能エネルギーや省エネ設備の導入で得た温室効果ガスの排出削減量のクレジット認証を受け、排出削減量の自主行動計画を定める大企業が目標達成のためにこのクレジットを買い取る仕組み。これまでクレジット認証に至ったケースは795件ある。
一方、環境省が08年11月にスタートさせたJ−VER制度は、森林バイオマスの活用、再生可能エネルギーの活用などで発生した温室効果ガスの削減量をクレジット化し、企業などがカーボン・オフセットに利用する制度。制度創設から155件のプロジェクトを認証している。
有識者会議は、16日に初会合を開き、新制度の構築に向けた検討をスタートさせた。まず、二つの制度のこれまでの実績を評価するとともに、統合後の新制度の内容を検討する。6月までに13年度以降の新制度の枠組みを固める予定だ。
提供:建通新聞社