政府・行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会第1ワーキンググループは13日、復旧・復興と日本再生に向けた規制・制度改革事項25項目を固めた。改革事項では、特定行政庁のみが行っている建築物の仮使用承認について、民間指定検査機関が実施できるよう建築基準法を見直して審査の効率化・迅速化を図るよう要請。都市計画法の大規模小売店舗に対する立地制限に対しては、特に工業地域での規制を廃止して工場跡地の開発を促進するよう求めた。所管府省と項目の詳細を協議した上で、6月に閣議決定する予定だ。
新築・増築した建築物は、特定行政庁が安全・防火上の支障がないことを特定行政庁が審査して仮使用承認を行い、完了検査前の使用を認めることができる。ただ、建築確認、中間検査、完了検査と異なり、仮使用承認は民間指定確認検査機関が実施できないため、承認手続きが長期化することが問題視されている。
国土交通省は、3月に審査手続きの合理化や迅速化を図る方針を打ち出したが、第1WGではさらに効率化を図ることが必要と指摘。12年度中に、地方自治体に対して仮使用承認事例の公表などの手続きを迅速化するのに役立つ技術的助言や、民間指定検査機関が仮使用承認を行うことができるよう建築基準法の見直しを検討するよう求めた。
2006年の都市計画法改正により、第二種住居地域、準住居地域、工業地域の三つの用途地域には、大規模小売店舗(延べ1万平方b以上)の立地が規制された。このため、法改正後は、立地可能な地域の減少で大規模小売店舗の新設届出件数の減少が見られる。改革事項では、12年度中に3地域の立地規制廃止について結論を出すよう要請。工場跡地の開発を促進するため、特に工業地域に対する立地規制の廃止を求めた。
また「自動車整備工場に対する建築基準法の用途地域ごとの面積制限の緩和」も要請。国交省は自転車整備工場の面積制限の緩和について、地方自治体向けに技術的指針を作成し、制限を緩和する際の条件を明示したが、指針作成後の立地状況を検証するよう指示。立地が容易になっていない場合には、建築基準法の見直しも検討するよう求めている。
改革事項ではこのほか「再々開発事業に向けた都市再開発法の見直し」についても要求。第一種市街地再開発事業の施行区域要件を緩和することで、老朽化した再開発ビルの更新を後押しする。
提供:建通新聞社