厚生労働省は、労災保険料算定に使用する労災保険率と、建設業が賃金総額の算定に使用する労務費率を3年ぶりに改定した。労災事故の発生率などに応じて決まる労災保険率は「道路新設事業」や「既設建築物設備工事業」でそれぞれ0・1ポイント上昇したが、「水力発電施設、ずい道等新設事業」で1・4ポイント下がった。賃金動向に連動する労務費率は、建設業の賃金下落などを反映し、全9事業のうち7事業で比率を下げた。改定後の労災保険率と労務比率は2014年度までの3年間適用する。
労災保険料は、賃金総額に労災保険率を乗じて計算する。ただし、数次の下請けが介入する建設事業は、元請けが事業全体の賃金総額を正確に把握することが難しい。このため、建設業の賃金総額は、賃金状況を別途調査して労務費率を特例で決め、請負金額にこの労務費率を乗じて算出する。いずれも3年に1度改定することになっている。
今回決まった建設事業の労災保険率と11年度までとの比較は▽水力発電施設、ずい道等新設事業8・9%(1・4ポイント減)▽道路新設事業1・6%(0・1ポイント増)▽舗装工事業1%(0・1ポイント減)▽鉄道または軌道新設事業1・7(0・1ポイント減)▽建築事業1・3%(増減なし)▽既設建築物設備工事業1・5%(0・1ポイント増)▽機械装置の組立てまたは据え付けの事業0・75%(0・15ポイント減)▽その他の建設事業1・9%(増減なし)―。
一方、労務費率は▽水力発電施設、ずい道等新設事業18%(1ポイント減)▽道路新設事業20%(1ポイント減)▽舗装工事業18%(1ポイント減)▽鉄道または軌道新設事業23%(1ポイント減)▽建築事業21%(増減なし)▽既設建築物設備工事業22%(増減なし)▽機械装置の組立て・取り付け38%(2ポイント減)▽機械装置その他21%(1ポイント減)▽その他の建設事業23%(1ポイント減)―としている。
提供:建通新聞社