トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2012/04/12

もう、限界だ―全鉄筋が元下関係適正化へ一斉行動

 もう、限界だ―。全国鉄筋工事業協会(全鉄筋、内山聖会長)と傘下の都道府県鉄筋工事業協会は、元下請け関係の適正化に向けた要望活動を4月から5月にかけて全国で一斉に展開する。元請けのゼネコンや地方自治体などの発注者に鉄筋工事業経営の窮状と、鉄筋工の確保が極めて困難になっている現状を訴え、安値受注や指値発注の是正を求める要望書を直接手渡す。国土交通省が2011年8月に策定した「発注者・受注者間における建設業法順守ガイドライン」に沿った請負契約の適正化を強く求める。
 一斉行動に先立って4月12日、東京都内で会見した内山会長は「職人(鉄筋工)の不足は、社会保険未加入以前の問題だ」と指摘し、鉄筋工事業の技能者の確保は「もはや危機的状況にある」との認識を示した。
 その上で、ダンピングや指値発注が鉄筋工事業の経営体力を奪い、若年者があまりにも厳しい現実を目の当たりにして離職を余儀なくされている状況を、苦渋の表情で説明。今回の一斉行動が「全鉄筋会員のやむにやまれぬ危機感の表れ」であることを強調した。
 内山会長は「単価さえ上げれば、鉄筋工をすぐにでも確保できると思っているゼネコンが少なくないようだが、一度、辞めた職人はもう戻ってはこない」と断言。「鉄筋工の不足は、5月以降、多くの建設現場で深刻な事態を招くだろう」と警鐘を鳴らした。
提供:建通新聞社