総務省が地方自治体の歳入歳出総額の見込額をまとめた地方財政計画で、地方自治体が2012年度予算に計上する投資的経費の総額が前年度比8・7%増の12兆2818億円になることが明らかになった。東日本大震災の復旧・復興事業費や、震災の教訓を踏まえて実施する全国防災対策費の上乗せが主な要因。維持補修費にも総額9667億円(0・6%増)が計上される見込みだ。
12年度の通常収支分の投資的経費の内訳は、直轄負担金が5876億円(8・4%減)、国庫補助を伴う公共事業費が5兆1478億円(3%減)、自治体単独の公共事業費が5兆1630億円(3・6%減)で、総額10兆8984億円(3・6%減)となる。
国庫補助を伴う公共事業費では、交付対象を政令指定都市に拡大する地域自主戦略交付金が1兆2618億円で44・5%の大幅な増加。一方、対象事業の一部を地域自主戦略交付金に移行させる社会資本整備総合交付金は、20・1%減の2兆2777億円となる。
事業別では▽治水治山1509億円(0・1%増)▽道路整備843億円(10・8%減)▽農林水産基盤整備2421億円(15・4%減)▽文教施設1488億円(25・6%減)―など。
国庫補助負担がない自治体の単独事業では、普通建設事業費(道路、公園、住宅など)と災害復旧事業費が4・9%減の3兆3222億円、地域活性化事業や旧合併特例事業などに充当する特別事業費が1・1%減の1兆8408億円となる。
こうした通常収支分に、12年度は東日本大震災の復旧・復興と全国防災対策に関連する投資的経費を追加する。復旧・復興事業に含まれる投資的経費は、直轄事業負担金が555億円、国庫補助を伴う公共事業費が6836億円、自治体単独の公共事業費が700億円となる見通し。全国防災対策の投資的経費は、公立学校や土木インフラの耐震化などに5743億円を計上する見込みだ。
提供:建通新聞社