国土交通省は、ICT(情報通信技術)を活用して生産性や品質の向上を目指す「情報化施工」の一層の普及・拡大に向け、新たな戦略の検討に着手する。2008〜12年度を期間とする「情報化施工推進戦略」に続くものとして、対象工種・技術の拡大のほか、情報化施工データを維持管理や出来高部分払いの分野で活用することなどを盛り込む考え。6月ごろから具体的な検討に着手し、12年度末に次期戦略を公表する計画だ。
10年8月の通達で、「早期の実用化に向けて検討を進める」としているバックホウのマシンガイダンス(MG)や、ブルドーザーのマシンコントロール(MC)/MG、TS(トータルステーション)/GNSS(衛星航法)締固めといった技術を、一般化する技術に位置付ける。各地方整備局で進めてきた試験施工などの成果を踏まえて一層の普及を図る。
対象工種は、試験施工で進めている土工や舗装のほかに、水門・樋門、橋梁などの構造物を加えることを想定している。
また、情報化施工で取得した施工データや施工管理データを、維持管理や出来高部分払いの際に活用するなど、幅広い分野での利用を目指す。併せて、情報化施工での活用を踏まえた設計基準の見直しや、関連する工事を施工する異なる業者間でデータを共有することにもつなげる考えだ。
6〜7月ごろに情報化施工技術の普及状況や課題と、情報化施工をめぐる国内外の動向を踏まえた議論を実施。その後、さらなる普及に向けた課題と対応方針、重点目標とロードマップについて検討し、13年1〜2月に次期戦略をまとめ、12年度末に公表する計画だ。
提供:建通新聞社