地域維持の担い手を確保するため国土交通省が創設した地域維持型建設共同企業体(地域JV)制度が、直轄事業で初めて採用されることが決まった。対象となるのは、中国地方整備局が27日付で入札公告した「鳥取管内保守工事」で、国道3路線の舗装・補修、巡視・巡回、清掃、除草、除雪などを包括発注する。地域JVは柏市(千葉県)が除染工事で活用を始めているが、制度設計時点で想定していた工種での本格活用は今回が初のケースとみられる。
地域JVは、災害応急復旧や除雪など地域の維持に必要な担い手を確保するための仕組み。中央建設業審議会が11月にJV準則を改定し、地域JVの性格や対象工事の種類・規模、構成員の要件・組み合わせなどを定めた。これを踏まえ国交省は地域JVの暫定的な運用指針を1月19日付で地方整備局などに通知した。
今回の「鳥取管内保守工事」は、一般国道9号・29号・53号の3路線について、▽巡視・巡回工▽舗装工▽一般構造物補修工▽付属物復旧工▽道路清掃工▽除草工▽冬季対策施設工▽道路照明設備工▽応急処理工(災害復旧)▽除雪工・凍結防止工―を包括的に発注するもの。入札公告に、地域JVでの競争参加が可能であることを明記した。
地域JVでの競争参加に当たっては、構成員のいずれかが同種工事の元請けとしての施工実績を持つことや、全ての構成員が県内東部地方生活圏内に本店が所在していることなどが要件となる。
提供:建通新聞社