千葉県柏市が発注する放射性物質の除染工事で、国土交通省が地域維持事業の担い手確保を目的に創設した地域維持型建設共同体(地域JV)の採用が決まった。学校や公園などの除染工事を、市内業者3〜7社で構成する地域JVに分担施工させる。国土交通省土地・建設産業局建設業課では「地域JVの仕組みが実際に活用されるのは全国初のケースではないか」と話している。
地域JVは、国交省の「建設産業戦略会議」が打ち出した地域維持型契約方式の担い手を確保するための仕組み。昨年11月にJV準則を改定して対象工事の種類・規模、構成員の要件などを定めており、地方自治体が11年度中に契約する案件でも採用できるようになった。
昨年12月時点の国交省の調査では、都道府県11団体が導入に積極的な意向を示していたが、柏市では昨年12月22日から入札参加資格審査の申請を受け付けており、個別案件の入札手続きに入ったのは今回が初のケースになるとみられる。
既に6日までに入札参加資格審査の申請を締め切っており、公告・入札を経て2月にも契約を結ぶ見通し。学校16校、公園26園、スポーツ施設8施設の除染工事について単価契約を結び、地域JVの構成員に分担施工させる。市内業者だけがJVの構成員になる要件を盛り込んでいる。
市は、市内で局所的に高い放射線量が測定されていることから、昨年12月に環境省の汚染状況重点調査地域の指定を受け、13年度末までに市内全域の公共施設などを除染する計画を打ち出している。今回発注する案件の成果を検証しながら、今後発注する除染工事にも地域JVを採用すること考えでいる。
提供:建通新聞社