国土交通省は、東京外かく環状道路(外環、関越〜東名)と名古屋環状2号線(名古屋2環、名古屋西〜飛島)について、直轄事業と有料道路事業の役割分担をまとめ、24日の社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会に報告した。外環の施行区分は、東日本高速道路会社(関越〜中央)と中日本高速道路会社(中央〜東名)が区間ごとに舗装・設備工事やジャンクション(JCT)部分の整備を担当し、本線などは直轄事業で実施する。名古屋2環も同様のスキームで、中日本高速が舗装・設備工事などを担うことになる。
高速道路整備の在り方をめぐっては、同省の「高速道路のあり方検討有識者会議」がまとめた中間報告で、▽都市部の高速道路は利用者負担による有料道路方式での整備を基本とすべき▽利用者負担だけでは足りない分については、事業主体の責任を明確にしつつ、税負担も活用することが必要―との考え方が示された。
これを受けて国交省は12年度に実施する直轄事業の検討に当たり、外環と名古屋2環について直轄事業と有料道路事業の基本的な役割分担の考え方を整理した。
この中で、外環の有料事業主体は、対象区間の一体的・効率的な管理が可能であることなどを理由に、関越〜中央間を東日本高速、中央〜東名間を中日本高速とすることを報告。その上で、日常的なメンテナンスが必要な舗装・設備工事は有料事業者が実施することにした。また、効率的な整備を進める観点から、区間内のJCTは有料事業主体が施行する一方、大深度地下を通る本線などは直轄で整備していく。
名古屋2環は、周辺の高速ネットワークを管理している中日本高速が有料事業主体となる。施行区分は、名古屋西〜飛島間の舗装・設備工事に加え、名古屋西JCTや飛島JCTなどを中日本高速が担い、本線整備などは直轄事業で実施する。
提供:建通新聞社