建設経済研究所は、2012年1月時点での建設投資見通しをまとめた。それによると、11年度の建設投資額(名目値)は震災対応の補正予算が大幅に増えたことなどから、前年度に比べ6・6%増の43兆8400億円と予測した。ただし、第3次補正予算の大半は執行が12年度にずれ込む可能性が高まり、民間住宅投資も一部で停滞の動きがあるため、前回10月時点での推計から8000億円の下方修正を行った。12年度は2・3%増の44兆8300億円と、緩やかな回復基調が継続するとみている。
11年度の政府建設投資は、10・4%増の18兆3100億円と予測。国の当初予算の公共事業関係費の伸び率は6%減、地方単独事業費の伸び率は4・6%減だったものの、震災対応の補正予算が加わり総額を大きく増やした。12年度は、東日本大震災復興交付金や東日本大震災復興特別会計を含んだ国の当初予算の公共事業関係費が8%増、地方単独事業費の伸び率が前年度並みと仮定した上で、11年度からの繰り越し分を加え、0・7%増の18兆4400億円になるとした。
11年度の民間住宅投資は、特にマンションの着工戸数が回復している影響で、住宅着工戸数が2・8%増の84万1800戸、投資額が4・3%増の12兆9600億円になると予測。12年度は復興需要が押し上げ要因となり、住宅着工戸数が5・4%増の88万7500戸、投資額が4・9%増の13兆6000億円に増えるとした。
11年度の民間非住宅建設投資は、震災による設備投資の足踏みが見られたものの、その後は緩やかな回復基調で推移していることから、3・7%増の12兆5700億円になる見通し。12年度は11年度からの回復基調が継続し、1・8%増の12兆7900億円になるとした。
提供:建通新聞社