国土交通省は、省エネルギー住宅・建築物認定制度の創設などを柱とする「低炭素まちづくり促進法案」(仮称)の具体像を19日の社会資本整備審議会・都市計画制度小委員会に示した。現行の省エネ基準に比べ1次エネルギー消費量を10%以上削減した住宅や建築物を認定し、税制上の特例措置を講じる。低炭素型のまちづくりを進めるため、市町村が策定する「低炭素まちづくり計画」に位置付けられた事業を支援することも想定している。1月24日に開会を見込む次期通常国会に早期に提出する方針だ。
この法案は、国交省が掲げる「低炭素循環型システムの構築」「地域の集約化」を実現することが狙い。まず国が低炭素まちづくりに関する基本方針を策定し、それに基づき市町村が低炭素まちづくり基本計画を作成・実施する枠組みを整え、都市の低炭素化を促進していく。
低炭素まちづくり計画には、▽病院・福祉施設・事務所・共同住宅を集約する事業▽集約駐車場の整備▽公共交通機関の整備▽物流業務の共同化▽低炭素建築物・住宅の整備▽未利用下水熱の利用▽緑地の保全・推進―などの具体的な取り組みを位置付ける。計画の実効性を確保するため、都道府県・市町村や学識者、民間事業者などで構成する協議会を設ける。
計画に位置付けられた事業は、国交省が12年度に創設する集約促進都市開発支援事業やエネルギー面的利用推進事業で財政支援する。
建物の低炭素化に向けては、省エネルギー住宅・建築物認定制度を創設する。現行の省エネ基準に比べ1次エネルギー消費量が10%以上削減できる住宅・建築物を認定し、住宅ローン減税の深掘りや容積率の特例といった優遇措置を講じる。太陽光発電など創エネも評価できる基準を設ける。
提供:建通新聞社