農林水産省は、農村や漁村に再生可能エネルギーを誘導するための新法となる「農山漁村再生可能エネルギー法案」を24日召集の次期通常国会に提出する。点在する耕作放棄地の集約など、土地利用の調整に必要な手続きを簡素化し、農地への再エネ設備の設置を後押しする。
新法は、農地や漁村に再エネ事業を導入する際の障害になる、農地法、森林法、漁港漁場整備法などに特例措置を設け、耕作放棄地の集約化や農地の換地などを進めやすくするのが狙い。
新法では、国が再エネ導入を促進するための基本方針を定めるよう規定し、この基本方針に沿う形で市町村が集団的な所有権移転を促進するための基本計画をつくるとしている。再エネ事業者は、再エネ事業の整備計画を市町村に申請。国の認定を受けると農地法や森林法などの手続きを簡素化したり、ワンストップ化したりすることができる特例措置などを受けることができる。
同省の調査によると、2010年度末時点の耕作放棄地の全国推計値は29・2万fで、このうち農地として復元できない土地は14・4万fに上り、再生可能エネルギー事業などへの転用の対象となる。
同省ではまた、再生可能エネルギー事業に国有林を活用することについても検討しており、11年度末までに許可要件・基準の見直しについて結論を出す。
提供:建通新聞社