10月〜12月期の地元建設業界の景況感は、前期に比べ3ポイント増のマイナス23と持ち直しの動きを見せたことが、建設業保証3社のまとめで分かった。東日本大震災の被災地に限ると、8ポイント増の12と、前期に続いて景気が「良い」状況にあり、収益も復旧・復興の本格化を背景に完成工事高が増えたため、増加傾向に転じた。その一方、建設労働者の確保は困難な傾向が強まり、賃金は上昇傾向を示した。
全国の受注総額は2・5ポイント増のマイナス16・5。発注者別では、官公庁工事が1・5ポイント増のマイナス18、民間工事が1・5ポイント増のマイナス15・5だった。被災地は、8ポイント増の9・5、官公庁工事が14・5ポイント増の3・5、民間工事が3ポイント増の3となった。
建設労働者の確保は3ポイント減のマイナス5・5と困難傾向に拍車が掛かり、建設投資が80兆円を超えていた1993年7月〜9月期以来の水準を記録。賃金も2・5ポイント増の2と上昇傾向を示した。特に被災地では、建設労働者の確保が8・5ポイント減のマイナス29・5、賃金が9・5ポイント増の15になり、人手不足と賃金高騰が深刻な状況だ。
収益は、全国が1・5ポイント増のマイナス17・5と改善しつつも減少傾向が続いたのに対し、被災地は7ポイント増の5と増加傾向に転じた。増加の理由は複数回答で「完成工事高の増加」が92・3%と最も多く、「金利負担の減少」と「天候条件の良さ」がそれぞれ12・8%で続いた。
提供:建通新聞社