国土交通省は「社会保険未加入対策に関する説明会」を18日に開き、建設業許可・更新時の加入状況の確認・指導や、元請けに対する保険加入指導の義務付けといった保険未加入対策の実施方針を建設業団体に示した。同省土地・建設産業局建設市場整備課の榎本健太郎課長は冒頭、「技術・技能の担い手を確保するためには、保険加入の徹底が不可欠。行政・業界で取り組んでいかなければならない」と強調。質疑応答では、出席者から「法定福利費を別枠支給する仕組みの構築が必要」といった声が上がった。
社会保険未加入対策をめぐっては、国交省が5年後をめどに建設業許可業者の加入率を100%、個人単位の加入率を製造業並みに引き上げる目標を設定。その実現に向けて、同省の「社会保険未加入対策の具体化に関する検討会」が具体策の検討を進めている。
こうした中で開かれた説明会で、榎本課長は「2月下旬の次回検討会で今後取り組むべき項目を最終的に固め、3月から4月にかけて建設業法政省令を改正した上で、夏をめどに施行する」とのスケジュールを提示。具体策の検討に当たり、建設業団体からの意見・要望を1月31日まで募る考えも表明した。
質疑応答では、「1平方b当たりの単価による契約が一般的な業界にあっては、市況が悪化すれば適正な労務費を確保できない。法定福利費を別枠支給するか、法定福利費分が下請けまでしっかり流れる仕組みを整えてほしい」との要望があった。また、「保険未加入対策を徹底すれば、事業主負担の増加を避けるため、一人親方が増えてしまうのではないか」と懸念する声も寄せられた。
説明会には、建設業団体58団体に加え一般傍聴者も多数集まり、この問題に対する建設業界の関心の高さをあらためて印象付けた。
提供:建通新聞社