国土交通省は、建設業の成長分野への事業転換や転廃業を支援する「建設企業のための経営戦略アドバイザリー事業」の拡充を決めた。これまで1回としていたアドバイザーの無料派遣を2回に増やす。これによって、耐震改修やエコ建築、リフォームといった成長分野への展開や、転廃業を視野に入れる建設業者への支援を加速させる。
この事業は、厳しい経営環境にある建設業の新事業展開や企業再編、転廃業を後押しすることが狙い。基本的には、2010年度まで実施していた「経営相談(ワンストップサービスセンター)事業」の枠組みを活用。専門家である「建設業経営戦略アドバイザー」を無料派遣し、経営上の課題解決を目指す。11月末時点での派遣実績は487件となっている。
また、相談してきた企業のうち、意欲が高くコンサルティング効果が認められるものを「出口支援企業」として選定し、新事業展開などの道筋がつくまで、事業計画・資金計画の策定支援や金融機関などとの調整を含め、きめ細かなコンサルティングを実施する仕組みも取り入れた。
今回の事業の拡充は、アドバイザーや建設業者からの要望に応えたもの。利用実績がない建設業者は2回、既に利用した建設業は追加で1回の無料派遣を受けることができる。
本年度の出口支援企業は選定済みだが、12年度予算案に同事業の経費を計上していることから、意欲が高くコンサルティング効果が認められる相談であれば、12年度に出口支援の対象となる可能性がある。
提供:建通新聞社