国土交通省は10日、「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」の初会合を開き、区分所有者以外の専門業者や専門家が分譲マンションの管理を担う「第三者管理者方式」の本格導入に向けた検討に乗り出した。同方式を活用する場合の管理者要件や業務範囲、第三者管理者に対する監視機能などの在り方を月1回程度のペースで話し合い、6月をめどに中間報告をまとめる。得られた成果は、マンション標準管理規約の改定などに反映させる方針だ。
分譲マンションのストックは2010年末現在で約571万戸となり、その数は増え続けている。しかし、一つの建物を多くの人が区分して所有するという特性から、適切な維持管理が難しいといった課題を抱えている。また、居住者の高齢化や賃貸住戸の増加によって、管理組合が機能を十分に果たせていないケースも目立つ。
こうしたマンション管理を取り巻く課題に対応するため国交省は、専門業者・専門家に管理を委ねる第三者管理者方式などの活用が必要と判断し、その方向性を探る検討会を設けることにした。
10日の会合では、国交省が第三者管理者方式の現状や課題などを説明。その上で▽適正な業務を遂行するための管理者要件▽管理者の業務範囲などの明確化と業務の適正性確保▽第三者管理者に対する監視機能の確立▽組合財産の保全手法―を今後の検討課題として示した。
マンション標準管理規約の見直しに向けては、第三者管理者方式への対応に加え、暴力団など反社会勢力排除規定の導入や、災害時の管理組合の意志決定手続きといった課題も検討する。
提供:建通新聞社