津波防災地域づくり法の施行を受けて国土交通省は、都市計画運用指針の改正案をまとめた。同法では、津波災害の恐れが著しく高い区域での市街地整備を促進するため、「一団地の津波防災拠点市街地形成施設に関する都市計画」を都市施設の一類型に位置付けることにしたため、こうした都市計画の考え方や取り扱いを明確化した。一般からの意見募集を経て、1月中旬に指針を定め地方自治体などに発出する。
一団地の津波防災拠点市街地形成施設は、津波が発生した場合でも被害を防止・軽減する必要性が高い区域で都市機能を維持するため、さまざまな機能を持つ施設を一団の施設ととらえて一体的に整備していくことが狙い。2011年12月施行の津波防災地域づくり法に盛り込まれた。
指針案では、主に居住機能維持のための拠点となる市街地について、比較的海沿いから離れた位置に配置することなどを例示した。また、▽住宅施設▽特定業務施設▽公益的施設▽公共施設―について、津波が発生した場合でも都市機能が維持できるよう、適切な位置・規模で配置することが望ましいとした。
東日本大震災による津波で既に甚大な被害を受けた地域での市街地復興に活用する場合には、被災時という特殊事情を踏まえ、被災者の生活再建に十分配慮しつつ、平常時とは異なる機動的な対応が求められるとの認識を示した。
提供:建通新聞社