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2011/12/22

震災復旧・復興で建設投資大幅増 国交省の11年度建設投資見通し

 国土交通省は、東日本大震災の復旧・復興に向けて数次にわたり補正予算が編成されたことを受けて、6月に発表した2011年度の建設投資見通し(名目値)を見直した。6月時点では考慮していなかった第2次・第3次補正予算などを算入した結果、6月時点から3兆2500億円を積み増し、前年度に比べ13%増の46兆4700億円になると推計した。政府建設投資が25・8%増の20兆8500億円と04年以来の20兆円超えを見込み、民間建設投資も4・4%増の25兆6200億円になる見通しだ。
 11年度の建設投資を工事種類別に見ると、建築投資が10・3%増の24兆5600億円、土木投資が16・2%増の21兆9100億円。国内総生産に占める割合は0・8ポイント増の9・7%となる。
 政府建設投資のうち、東日本大震災関連の投資額は4兆8700億円と推計。6月時点では2兆4100億円としていたことから、2兆4600億円の上方修正となった。工事種類別では、土木投資が3兆1300億円、建築投資が1兆7400億円。内容別では、応急仮設住宅の供与が4100億円、災害公営住宅の整備などが1500億円、学校・社会福祉施設・官庁施設などの災害復旧・防災機能強化が1兆1800億円、公共土木施設・有料道路・空港・農地・農業用施設の災害復旧などが3兆1300億円とした。
 このほか、災害廃棄物処理や放射能の除染作業などに要する費用として9514億円を推計しているが、建設投資の定義に合わないため、今回の見通しには算入していない。また、推計に当たっては補正予算に盛り込まれた事業が年度内にすべて実施されることを前提にしているため、実際の投資額は減る可能性が高い。
 震災復旧・復興関連の建設投資が日本経済に及ぼす影響については、名目国内総生産を1・22%、実質国内総生産を1・08%引き上げることになる。また、建設事業で誘発される各産業の生産額(生産誘発効果)で見ると、全産業では9兆5500億円の生産活動が行われ、約57万人の雇用創出効果が見込まれるという。
 民間建設投資のうち住宅投資は、上半期の新設住宅着工戸数が増加したことを受け、6月時点から1500億円を積み上げ、前年度比8・4%増の13兆9900億円になると推計。民間非住宅建設投資も復旧・復興需要を見越して、6月時点から2100億円増やし、前年度比4・3%増の12兆6400億円になるとした。

提供:建通新聞社