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2011/12/14

外環建設に本格着手 国交省が方針

 国土交通省は、東京外かく環状道路(外環)のうち練馬〜世田谷間の建設を本格化させることを決めた。延長は16・2`で、構造は地下40bより深い部分にトンネルを通す「大深度地下方式」を採用。事業費は1兆2820億円に上る。2012年度早々にシールド工事のための立坑掘削を始められるよう、11年度中に準備工に着手する考え。東京都が開催地に立候補しているオリンピックに間に合わせるため、20年までの完成を目指す。松原仁副国交相が12日の会見でこうした方針を示した。
 外環の練馬〜世田谷間は、関越道(練馬区大泉町)から中央道を経て東名高速(世田谷区宇奈根)に至る路線で、09年5月に事業化した。6車線の本線を地下40b以上の大深度に構築するとともに、ジャンクションとインターチェンジを3カ所ずつ設け、既設の高速道路や一般道と接続させる。11年度は国が用地買収を継続しつつ、ジャンクション周辺の施工計画の検討などを進めている。環境整備工事(立入防止柵設置など)にも着手した。
 外環を含む高速道路の在り方をめぐっては、国交省の有識者委員会が今月9日に中間報告をまとめ、前田国交相に提出した。中間報告では「大都市・ブロック中心都市におけるネットワーク(NW)の緊急強化」を最優先課題に位置付けた。
 こうした状況の中で、松原副国交相は「(NW緊急強化の)象徴とも言える外環については、これまで以上に力を入れて進めることが必要」と強調。その上で「20年オリンピック開催地に東京が立候補していることを踏まえて、シールド工事のための立坑掘削をはじめ12年度早々にも着工できるよう、11年度内に準備工事に着手する」と述べた。また、用地買収について「現在の生活再建の対応から計画的な買収へ移行し、積極的な用地取得を進めていく」との姿勢を示した。
 整備手法は「有料道路事業を基本とし、事業費の不足分については責任分担を明確にした上で、直轄事業として活用していきたい」との方針を提示。自民党政権時代に整備手法として検討された「合併施行方式」との違いを問われると、松原副国交相は「従来の合併施行方式は、有料道路事業と公共事業の責任分担があいまいだったが、今後は工種や工区などの責任分担を明確にした上で事業を実施していく」と話した。
 有料道路事業の主体は「高速道路会社が基本だが、社長の意見を直接聞いた上で、年内に決める」との考え方を示した。

提供:建通新聞社