政府は10日、2012年度税制改正大綱を閣議決定した。国土交通関係では、認定省エネ住宅(仮称)促進のための特例措置や、公共交通のバリアフリー設備に対する特例措置などを創設。住宅取得に際しての贈与税非課税枠の拡充・延長や、認定長期優良住宅の普及促進に向けた特例措置の延長なども盛り込んだ。
国交関係の税制改正は、▽暮らしの安全・安心確保関連税制▽成長戦略・地域の経済活性化関連税制▽低炭素・循環型社会関連税制―という三つの柱で構成。住宅投資の促進や都市の防災強化、国際競争力強化、国内産業の空洞化防止、省エネ・グリーン化の推進に役立つ税制措置に重点を置いた。
暮らしの安全・安心確保に向けては、新築住宅に対する固定資産税の減額措置や、土地・住宅に対する不動産取得税の軽減措置を延長。認定長期優良住宅の普及促進のため、標準的な性能強化費用相当額(上限500万円)の10%相当額を控除するといった特例措置を2年間延長する。また、住宅取得に際しての贈与税非課税枠について、省エネ性や耐震性を満たす住宅は12年度に1500万円まで引き上げる。
地域公共交通を維持・活性化する観点からは、公共交通機関のバリアフリー化を促進するため、新たにホームドアシステムや鉄道駅のエレベーターを設置する際、固定資産税を軽減(5年間で3分の2)する。
成長戦略関連税制としては、国際戦略港湾での指定会社の荷さばき施設整備で固定資産税などの軽減措置を延長。新関西国際空港などに対する特例措置も設ける。
低炭素・循環型社会の構築に当たっては、一定の基準を満たした省エネ住宅を「認定省エネ住宅」(仮称)と位置付け、住宅ローン減税制度の控除対象借入限度額を12年度は4000万円、13年度は3000万円に引き上げる。最大控除額まで所得税額が控除されない場合は、翌年度の個人住民税額から控除する。
提供:建通新聞社