地域維持型契約方式の導入促進に向けて国土交通省は、地域維持型建設共同企業体(地域JV)の運用に向けた考え方をまとめ、国や都道府県政令市、建設業団体に8日付で通知した。この中では、担い手育成の観点から地域JVと単体企業・経常JVが同じ土俵で競争する「混合入札」が可能との認識を提示。他方、他の参加が見込まれない状況では、地域JVだけでの競争を認めることとした。構成員数の上限を「当面、10社程度とする」ことなども明確化した。これを受けて国や地方自治体は、それぞれが定めるJV運用基準の見直しを本格化させることになる。
地域JV制度は、災害応急復旧や除雪など地域の維持に必要な担い手を確保するための仕組み。中央建設業審議会が11月にJV準則を改定し、地域JVの性格や対象工事の種類・規模、構成員の要件・組み合わせなどを定めた。
今回の通知は、JV準則の改定内容を解説するもの。それによると、地域維持型JVの対象工事として▽道路の維持管理(舗装修繕、路面清掃、助走・樹木伐採、植栽・芝生養生、巡回、施設点検など)▽河川の維持管理(前同)▽除雪(除雪、運搬排雪、凍結防止、巡回・状況調査など)▽災害応急対応(情報連絡体制の構築、協力体制の編成、資機材保有状況の把、発災時の被害情報収集、危険箇所の表示、障害物の除去など)―を例示した。
構成員の資格としては、@登録部門の許可業種の営業年数が少なくとも数年あるA登録部門について元請けとして一定の実績を有するB監理技術者、主任技術者となることができる国家資格保持者が存在するC地域の地形・地質などに精通しているとともに、迅速・確実に現場に到達できる―という4要件を設定。このうち、地域精通度は本店所在地や防災協定締結の有無、地元発注工事実績などで判断する考えだ。
構成員の組み合わせは、発注工事に対応する工事種別に関係する建設業許可業者の組み合わせとし、土木工事業許可業者または建築工事業許可業者を少なくとも1社含むこととした。ただし、こうした許可で受注できない工事は例外として取り扱う。
提供:建通新聞社