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2011/11/30

中古住宅・リフォーム市場倍増へ リフォーム瑕疵保険の充実やインスペクションの普及など 国交省・検討会が骨子

 国土交通省の「中古住宅・リフォームトータルプラン検討会」は29日、中古住宅流通・リフォームの活性化に向けた「中古住宅・リフォームトータルプラン」の骨子を大筋で固めた。2020年までに中古住宅・リフォーム市場の規模を20兆円に倍増させるため、既存住宅売買瑕疵(かし)保険・リフォーム瑕疵保険の充実、インスペクション(建物検査)の普及、既存住宅の耐震化・省エネ化の促進などを早期に実施すべき事項に位置付けた。12月の会合で素案をまとめ、一般からの意見募集を経て、2012年1月にプランを作成する。
 中古住宅・リフォームをめぐっては、政府が10年6月に閣議決定した新成長戦略で「20年までに中古住宅流通市場やリフォーム市場の規模を倍増させる」との目標を打ち出した。その実現に向けて、建物検査・保証、住宅履歴情報の普及促進などの市場環境整備策や規制改革、老朽マンションの再生策などを盛り込んだトータルプランを策定することも盛り込んだ。これを踏まえ国交省は11年2月に検討会を設け、中古住宅・リフォーム市場の活性化策を検討してきた。
 29日の会合でまとめた骨子では、▽消費者が安心できる市場環境の整備▽消費者ニーズに対応した魅力ある市場の整備▽住宅ストックに関する重要施策の推進▽中古住宅・リフォームの担い手の強化▽技術開発―といった分野ごとに、今後必要となる取り組みを整理した。
 安心できる市場環境の整備に向けては、既存住宅売買瑕疵保険・リフォーム瑕疵保険の充実、住宅履歴情報の蓄積・活用、インスペクションの普及、住宅性能表示制度の充実などを早期に実施すべきとした。悪質リフォームトラブルを踏まえた対策強化や各瑕疵保険の義務化などは中長期的な検討課題に位置付けた。
 魅力ある市場の整備に当たっては、優良な中古住宅流通・リフォーム事例の紹介や、中小建設業者と量販店、宅地建物取引業者とリフォーム事業者など異業種連携による取り組みの充実などが必要と指摘。また、既存住宅の耐震化・省エネ化・バリアフリー化や、長期優良住宅の普及促進、高齢者の住み替え支援といった住宅ストックの重要施策も推進していくこととした。
 担い手の強化に向けた取り組みとしては▽リフォームなどへの新事業展開を目指す中小建設事業者のための相談窓口の充実▽中小建設事業者向けのリフォームに関する講習・研修会の実施▽宅建業者のコンサルティング機能の向上―などを想定。既存住宅の非破壊検査技術や、インフィルリフォーム技術、共同住宅の長寿命化・延命化のための技術などを開発していくことも必要とした。

提供:建通新聞社