建築技術教育普及センターは、2012年度から二級・木造建築士試験の試験内容を見直すことを決めた。二級の設計製図試験は、「要求室」の床面積や計画などについて設計の自由度を高めた条件設定にするとともに、工夫した事項や設計意図を記述する「計画の要点等」を要求図書に追加。木造の設計製図試験は、軸組図や2階小屋伏図などを作図する内容を付加した出題とする。試験時間はいずれも30分延長し5時間とする。
こうした試験内容の見直しは、2008年11月施行の改正建築士法を踏まえたもの。これまで同センターと47都道府県で検討を進めてきた。具体的な試験の実施内容は12年3月上旬に公告する。また、設計製図試験の具体的な見直し内容は、6月上旬を見込む設計製図課題の発表時に合わせて公表する。
学科試験は二級・木造ともに、科目構成、科目ごとの出題数、試験時間などを変更せず、難易度も従来の水準を維持する。出題内容は、建築設計・工事監理に関する技術の進歩・高度化、環境問題、社会構造の変化、法令の改正などを踏まえ、必要に応じて見直す方針だ。
二級の設計製図試験では、「要求室」について床面積や計画の仕方を細かく指定する従来方式を改め、ポイントとなる主要な室の床面積を「適宜」とするなど、設計の自由度を高めた条件設定とする。要求図書に「計画の要点等」を加え、計画上工夫した事項や設計意図などを100〜200字程度で記述させる。
木造の設計製図試験では、構造計画・架構計画について、実務に即した内容を詳細に理解しているかどうかを確認するため、軸組図や2階小屋伏図を作図させる。柱杖図も受験者自らが作図する手法に改める。従来の寸法に加えて、床高、軒高などを要求する。
二級・木造のいずれも、受験者に過度な負担を強いることがないよう、できるだけシンプルな建築物の設計課題とするほか、試験時間を従来の4時間30分から5時間に延ばす考えだ。
提供:建通新聞社