国土交通省は28日、「応急仮設住宅の検証のための都道府県ワーキンググループ」の初会合を開き、将来の大規模災害の発生を想定した応急仮設住宅建設のマニュアルを都道府県と協力して年度内にもまとめることを明らかにした。東日本大震災後の対応を教訓に、建設事業者との協定の見直し、資材・用地確保など必要な事前の準備を整理し、応急仮設住宅の早期確保に必要な対応をマニュアル化する。
28日の会合では、国交省が東日本大震災の発生後に明らかになった応急仮設住宅の建設などに関する課題と、国・都道府県などが実施すべき対応方針を提示。基本的な対応として、災害の種類・規模、住宅被害、居住者の属性、利用可能な民間賃貸住宅の有無などの前提条件に応じ、事前に必要な調査・想定をまとめ、定期的に更新する必要性を示している。
建設事業者との連携に関しては、プレハブ建築メーカー、ハウスメーカー、地元工務店の参画を想定。各都道府県が各請負業者の特性に応じた発注の考え方を整理し、必要な協定の締結や見直しなどの対応を図る。また、災害時に緊急に認められる随意契約についても、契約期間が長期化した場合の契約方法などについて再検証する。
災害発生後の資材不足に対しては、住宅資材(住宅ユニット、建材、機器など)を早期に確保するため、一般の新築アパートで使用される汎用的な資材を活用して供給速度を加速させるとともに、余剰資材が生じた場合の問題を軽減する。地元資材の活用についても、地元業者や業界団体と事前の準備を進める。
東日本大震災で応急仮設住宅供給が遅れる要因となった建設用地の確保については、公有地だけでなく、民有地でも土地権利者と協定を締結するなどして、事前に建設候補地のリストを作成する。応急仮設住宅の仕様も、各都道府県が地域特性に応じた標準仕様を事前に定めるよう求め、災害公営住宅への転用を見据え、部材レベルや住戸レベルで再利用できる仕様を検討するよう促した。
提供:建通新聞社