国土交通省は、技術者の情報を一元化する「技術者データベース(DB)」の運用方針をまとめ、28日に開いた中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会に示した。監理技術者となり得る者に対しては、登録時に継続教育の受講といった要件を原則として課さない一方、5年後の更新時には継続教育の受講などの実績を求める。主任技術者となり得る者は当面、登録時・更新時のいずれも実績を不要とする。公共発注者、許可行政庁にはすべての登録情報の閲覧を認めるが、民間発注者の閲覧は一部制限する方針だ。
技術者DBは、現在の監理技術者資格者証に代わって、発注者や許可行政庁が配置技術者に必要な資格や雇用関係を確認できる仕組みを想定。継続教育などの履歴を登録可能とすることで、技術者の資質や技術力の維持向上につなげていく狙いもある。発注者には、DB登録者の中から監理技術者を選定することが義務付けられる。
国交省が28日の基本問題小委員会に示した考え方によると、DBへの登録に当たり、監理技術者となり得る者は原則として継続教育の受講などの資質確認を不要とする。ただし、技術検定などの試験合格から一定期間以上が経過している場合や、試験合格を経ず実務経験で監理技術者となり得る場合は、継続教育などを要件化する。経過措置として、現行の監理技術者資格者証保持者で監理技術者講習を修了している者は、そのままDBに登録可能とする。
主任技術者となり得る者は登録が任意であることを踏まえ、当面は登録時・更新時に継続教育受講などの実績を求めない。
技術者DBの登録促進に向けては、登録技術者を経営事項審査の技術力評価点数で適切に評価するとともに、許可申請時の営業所専任技術者の実務経験などの書類を簡素化する。
技術者が不正を行った場合の措置をめぐっては、不正の手続きで登録した者や他の技術者に名義貸しした者などの登録を取り消せるようにした上で、登録取り消しから一定年数を経過しないと再登録できないようにする。また、技術者の登録取り消しで建設業にも責任があるケースでは、その企業も監督処分の対象とする方針だ。
提供:建通新聞社